大判例

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名古屋高等裁判所 昭和27年(う)1336号 判決

原判決挙示の証拠によれば、被告人が免許を受けないで、医業を為した事実は、十分に認められる。原判決が犯罪事実として引用している起訴状記載の公訴事実は、措辞妥当を欠き、犯罪の構成事実を把握し難い非難があるけれども、罪名として示された適条と当審における検察官の釈明によれば、医師法第十七条違反の無免許で医業を為したものとして、同法第三十一条第一項第一号の訴因を指すものであつて、原審もこの訴因を審理し、これを有罪としていることが明らかである。而して原判決の証拠によれば、被告人は、医師猪飼元一方に雇われ、昭和二十七年六月五日から同年七月九日まで、三十一回に二十名の患者を診察し、これに治療を加えて居り、すべてこれは被告人が自ら診療したもので、医師猪飼元一の補助又は助手として為したものでないことが明らかに認められる。もつとも被告人は医師でないのに医師として医師猪飼に雇われ月給を支給され、薬代又は診察代及び治療費は総て猪飼が取得したのであるが、無免許の医業を禁止したのは、営利方面からでなく、国民の生命、健康に危険のある行為を禁止する趣旨に出でたものと解すべきであるから、被告人が直接の利益を得てないにしても、前記の如く、継続的に多数人を診療したことは、医業を為したものに該当するものである。

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